HOME » 第 3 回大会 (1999-12) 問題一覧

01. アルコール依存症(ぉ(Hamayan さん

私は酒が好きで毎日飲んでいますが、これを心配した妻が次のように言いました。
「来年はせっかくのミレニアムなんだから、あなたのお酒を制限させていただきます。ある日を解禁デーだとしますね。その前日が解禁デーでなかった場合は翌日も解禁デー、解禁デーだった場合翌日は禁酒デーとします。また、ある日が禁酒デーだとすると、その前々日が禁酒デーでなかった場合は翌日も禁酒デー、禁酒デーだった場合翌日は解禁デーとします。」
ミレニアムだから何だってんだよ~!しかし私はこの妻の言い付けを守ることにしました。

〔問題〕西暦 2000 年 1 月 1 日を解禁デーとすると、私は西暦 2000 年に酒を飲むことができる日(解禁デー)は何日あるでしょう?ただし西暦 2000 年はうるう年です。
西暦 2001 年が楽しみだな~。(爆)


〔解答・解説〕いずれも 5 日周期の次の 2 パターンが考えられる。

1 月 1 日 2 日 3 日 4 日 5 日 6 日 7 日 8 日 9 日 10 日
解禁 解禁 禁酒 禁酒 禁酒 解禁 解禁 禁酒 禁酒 禁酒
解禁 禁酒 禁酒 禁酒 解禁 解禁 禁酒 禁酒 禁酒 解禁

366÷5=73 あまり 1 であるから、5 日間が 73 周期と 1 日あまる。
5 日間のうち 2 日が解禁デーで、1 月 1 日(12 月 31 日)が解禁デーであるから、解禁デーは 73×2+1=147 (日)。でも、これだけ飲めればまぁいいか(爆)


02. ヨッシーと遊ぼう(長野 美光 さん

問題図

図 1 は大きさの違う 2 つの直角二等辺三角形 ABC、ADE を、点 A および、辺 AB と辺 AE が重なるように置いた図です。ただし、AB=AC、DA=DE で、点 F は辺 BC と辺 AD の交点です。
三角形 ADE を点 A を中心に点 D が辺 BC 上に来るまで時計回りに回転させます。このとき、辺 BC と辺 AE の交点を G とします(図 2)。
BG=4 cm、DC=3 cm のとき、図 1 の三角形 ABF と、台形 BFDE の面積比を (三角形 ABF の面積):(台形 BFDE の面積) の順にできるだけ簡単な整数比で表して下さい。

注:図は必ずしも正確ではありません。


図3

〔解答・解説〕図 3 のように、三角形 AGB、三角形 ADCをそれぞれ辺 AG、AD について折り返すと、点 B と点 C は点 H で重なる。
三角形 DGH は ∠H が直角であり、DH=3 cm、GH=4 cm より、GD=5 cm。


図4

そこで、図 4 のように方眼紙においてみると、辺 AD、DE は 3 cm×6 cm の長方形の対角線になる。
GD を底辺とすると、三角形 AGD は高さが 6 cm であるのに対し、三角形 EGD は高さが 3 cm であるので、面積比は (三角形 AGD):(三角形 EGD)=2:1 となる。
一方、三角形 AGD と 三角形 ABF において、BF=BC÷2=6 (cm)、GD=5 cm で、高さは共通であるので、面積比は (三角形 AGD):(三角形 ABF)=5:6 となる。


図5、図6

以上より、(三角形 AGD):(三角形 EGD):(三角形 ABF)=10:5:12 となり、図 5、図 6 のように各部分の面積比が決まる。
したがって、(三角形 ABF の面積):(台形BFDE の面積)=12:3=4:1


03. リッチな気分の給料日 (^^)v(中川 琢也 さん

ここ算数市では、料金体系の違う 2 社のタクシーが競争しています。1 社は算数タクシー(2 km 未満 750 円、以降 500 m 毎に 150 円)、もう 1 社はトライ交通(2 km 未満 700 円、以降 400 m 毎に 100 円、但し毎時 20 km 以下で走行した時は、2 分毎に 100 円を距離料金に加算)です。
さて見栄造さんは今日は給料日だったので、リッチな気分で帰宅にタクシーを使うことにしました。会社の前にたまたまいたのはトライ交通、早速乗り込みました。しばらくは気持ちよく毎時 60 km で走っていましたが、料金メーターが何回かかわった頃に運悪く渋滞に巻き込まれてしまいました。渋滞の最後尾につけたとき、見栄造さんと同じアパートから自転車(毎時 24 km)で通勤している同僚の走太さんがちょうど真横にいました。結局丁度 2 km ののろのろ運転(常に毎時 20 km 以下)だった渋滞を抜けた後は家までずっと、すいすいと毎時 60 km で走れました。また、渋滞を抜けてから丁度 10 分後に走太さんの自転車を追い抜きました。家に着いたので料金メーターを見ると、先月の給料日に乗った算数タクシーの料金とぴったり同じでした。
タクシーは瞬間的な加速減速が出来る、つまり会社の前でドアを閉めた瞬間に毎時 60 km になるし、家の前では毎時 60 km からピタリと止まれるものと仮定して、問題に答えてください。

〔問題〕走太さんは自転車通勤で、片道何分かかるでしょうか。分未満を切り捨てして整数で答えて下さい。考えられる数値が 2 つ以上あるときは、その全てを小さい順にコンマ (,) で区切って答えて下さい。(例:10 分 10 秒以上 11 分 30 秒以下、または 20 分以上 20 分 50 秒以下のときは 10,11,20 と解答して下さい。)

参考(トライ交通に乗ったときの料金の一例):5 km の距離を走行し、そのうち 10 分間は毎時 20 km 以下で走行した場合の料金は、1500+500=2000 円になります。


〔解答・解説〕タクシーが渋滞を抜けた場所から自転車に追いついた場所までは 60×10/60=10 (km)。また、渋滞自体の長さは 2 km であるから、見栄造さんが走太さんを 2 回見かけた間の距離は 12 km になる。
12km を 自転車は 12÷(24/60)=30 (分) かけて進むが、この 12 km はタクシーも同じ時間をかけて進んだので、30-10=20 (分) 渋滞に巻き込まれたことになる。
よって、時間料金(2 分ごとに 100 円加算)で 1000 円余計に出費したことになる。
次の表で、料金が等しくなる距離(赤色)を見つければよい。
ただし、トライ交通の欄は (距離料金+1000) 円。

距離
(□ km 以上 □ km 未満)
算数タクシー
(円)
トライ交通
(円)
18.0~18.4 5700 5800
18.4~18.5 5900
18.5~18.8 5850
18.8~19.0 6000
19.0~19.2 6000
19.2~19.5 6100
19.5~19.6 6150
19.6~20.0 6200
20.0~20.4 6300 6300
20.4~20.5 6400
20.5~20.8 6450
20.8~21.0 6500
21.0~21.2 6600
21.2~21.5 6600
21.5~21.6 6750
21.6~22.0 6700
22.0~22.4 6900 6800
22.4~22.5 6900
22.5~22.8 7050
22.8~23.0 7000
23.0~23.2 7200
23.2~23.5 7100
23.5~23.6 7350
23.6~24.0 7200

ここで得られた距離を、自転車の速度 24÷60=0.4 (km/分) で割ると、それぞれ 47.5 分以上 48 分未満、50 分以上 51 分未満、53 分以上 53.75 分未満、56 分以上 56.25 分未満 となる。
したがって、答えは 47,50,53,56 (分) のいずれか。


04. 図形どうしの三角関係(川田 智之 さん

平行四辺形 ABCD の内部の点 E を通って辺 AD に平行な直線が辺 AB、辺 CD と交わる点を P、Q、E を通って辺 AB に平行な直線が辺 BC、辺 DA と交わる点を R、S とする。
このとき E が △ABD の内部にあれば、

平行四辺形 CQER - 平行四辺形 APES = (  ) × △EBD

カッコに数字をいれなさい。


〔解答・解説〕平行四辺形 APES、平行四辺形 PBRE、平行四辺形 CQER、平行四辺形 SEQD の面積をそれぞれ a、b、c、d とする。
(四角形 BCDE)=(三角形 BRE)+(三角形 DQE)+c…①
また、(三角形 EBD)=(四角形BCDE)-(三角形 CBD) より、
(三角形 EBD)×2=(四角形 BCDE)×2-(三角形 CBD)×2…②
①、②より、
(三角形 EBD)×2={(三角形 BRE)+(三角形 DQE)+c}×2-(三角形 CBD)×2
=(b/2+d/2+c)×2-(a+b+c+d)/2×2=c-a=(平行四辺形 CQER)-(平行四辺形 APES)。
したがって、(平行四辺形 CQER)-(平行四辺形 APES) は 三角形 EBD の 2 倍。


05. 十二面体の体積(CRYING DOLPHIN さん

問題図

縦 15 cm、横 12 cm の長方形の紙が 6 枚あります。これら 6 枚の紙から、(図 1)のような平行四辺形を切り取ります。この 6 つの平行四辺形の紙を(図 2)のように辺どうしでくっつけてみると、合同な 12 個の三角形の面からなる立体の展開図になります。
では、この展開図を組み立ててできる立体の体積は何 cm³ でしょうか。

注 1:6 つの平行四辺形の貼りつけおよび展開図の組み立ての時ののりしろは考えません。
注 2:図を見れば明らかですが、立体の合同な 12 個の三角形の面の内角はいずれも 90 度より小さいです。
注 3:"へこみ" のない立体を考えてください。


図A 図B

〔解答・解説〕 展開図を組み立ててみると、(図 A)のようになる(便宜上、三角形の辺の長さによって色分けをしています)。
(図 B)より、この立体の 1 面は 1 辺が 9 cm の正方形からつくることができる。
このことから、1 辺が 9 cm の立方体をもとに立体の体積が求められないか?と考えてみる。
1 辺が 9 cm の立方体の各面に三角形を描いてみると…

図C

色をつけた 2 つの三角形は、3 組の辺の長さが等しいので合同。
したがって、合同な 12 個の三角形の面でできた立体、すなわち(図 A)と同一の立体となっている。

図D

(図 D)より、展開図を組み立ててできる立体は 1 辺が 9 cm の立方体から三角すい 6 個を切り取ったものである。
よって、体積は 9×9×9-(3×6÷2×9÷3)×6=567 (cm³)。

〔出題者からのコメント〕立体の 1 面が 9×9 の正方形に埋めこむことができることに気付くかどうかがカギでしょう。展開図を見た感じでは、六角すいが 2 個組み合わさったものと思ってしまうかもしれませんが、組み立ててみるとわかるように実際は違います。立体を分割して解こうとするとかなり混乱してしまうと思われます。


06. こわれた電卓(ブタゴラス さん

A 君の電卓が、ついにこわれました。テンキーのうち、0 (ゼロ)を除く二つのキーが、別の数字を入力するようになってしまったのです。
この電卓で、1+2+3+4+5+6+7+8+9 を計算ししたところ、答えは 45。1×2×3×4×5×6×7×8×9 を計算したところ、答えは 725760 になりました。
この電卓で 4321+9876 を計算したときの答えを求めてください。

注:例えば、1 のキーが 3 を入力し、2・3・4 のキーは正しく入力できるとすると、1+2+3+4 を計算したつもりが 3+2+3+4 を計算するようになります。


〔解答・解説〕1+2+3+4+5+6+7+8+9 の正しい答えは 45、1×2×3×4×5×6×7×8×9 の正しい答えは 362880 である。
また、725760=362880×2。
よって、こわれたふたつのキーを○と□で表し、○、□がそれぞれ●、■を入力するようになったとすると、○+□=●+■、○×□×2=●×■ である。
○+□ は 3~17 であり、このうち別の表し方 ●+■ ができて、しかも、かけ算して 2 倍になるのは、(○,□)=(1,6) のとき (●,■)=(3,4) または (4,3)。
したがって、この電卓で 4321+9876 を計算すると、その結果は 4323+9874 または 4324+9873 となるが、いずれも 14197 である。


07. 交点の数(お金 さん

円周上に 14 個の点があります。
2 点を結ぶ線分の交点(円周上の点を除く)は、全部でいくつあるでしょうか。ただし、3 本以上の線分が 1 つの交点を共有することがないものとします。


〔解答・解説〕円周上の 4 つの点を頂点とする四角形の対角線の交点の個数である。
すなわち、14 個の点から 4 つを選ぶ組合せを考えればよい。
14 個の点から 4 つを選んで 1 列に並べる場合の数は 14×13×12×11 通り。
また、選んだ 4 つの点を並べ替える場合の数は 4×3×2×1 通り。
したがって、(14×13×12×11)÷(4×3×2×1)=1001 (個)。


08. 第 3 回算数トライアスロンの優勝者の予想(清川 育男 さん

第 3 回算数トライアスロンが開催されます。参加者には 1 番から順番にゼッケン番号がつけられています。参加者の 3 人を選んでそのなかから優勝者がでるという予想をします。
そのときどの二人も連続したゼッケン番号でないという条件が、主催者からつけられました。この条件を満たした予想が 156849 通りあることが主催者から発表されました。
ここで問題です。第 3 回算数トライアスロンの参加者は何人でしょうか。


〔解答・解説〕3 人を選び、ゼッケン番号の大きい順に x、y、z とする (x>y>z)。
どの 2 人も連続したゼッケン番号でないという条件から、x-2>y-1>z である。
参加者が N 人であるとすると、条件をみたす場合の数は (N-2) 人から 3 人を選ぶ場合の数に等しい。
(N-2) 人を 1 列に並べる場合の数は (N-2)×(N-3)×(N-4) 通りで、3 人を 1 列に並べる場合の数は 3×2×1=6 (通り)であるから、(N-2) 人から 3 人を選ぶ場合の数は (N-2)×(N-3)×(N-4)÷6 通りである。
よって、(N-2)×(N-3)×(N-4)=156849×6=941094 をみたす整数 N を求めればよい。
941094=99×98×97 であるから、参加者は 99+2=101 (人)。


09. 内接球の半径(sambaGREEN さん

問題図

図のような一辺が 3 cm の立方体 ABCD-EFGH があります。2 点 P、Q はそれぞれ辺 CD、BC の中点です。
3 点 P、Q、H を通る平面で立方体を切断します。

(1) 切断面の面積を求めて下さい。(単位は cm²)
(2) 切断してできる 2 つの立体のうち、小さい方の立体を考えます。面 PQC 以外のすべての面に接する球の半径を求めてください。(単位は cm)



解説図

〔解答・解説〕切断面は等脚台形 PQFH で、HP、FQ、GC の延長は、図のように点 T で交わる。
2 点 P、Q はそれぞれ辺 CD、BC の中点であるから、CT=3 で、三角すい T-PQC と三角すい T-HFG は相似比が 1:2 の相似な立体である。…①

(1) 三角すい T-PQC の展開図は正方形 ABCD となる。
よって、(三角形 TPQ)=(三角形 APQ)=(正方形 ABCD)-(三角形 PQC)-(三角形 ABQ)-(三角形 APD)=9-3/2×3/2÷2-3/2×3÷2×2=27/8 (cm²)。
①より、(三角形 TPQ):(三角形 THF)=1:4 であるから、切断面 (台形 PQFH)=27/8×3=81/8 (cm²)。

(2) 三角すい T-PQC の内接球の半径を求めて、2 倍すればよい。
三角すい T-PQC の体積 V は 3/2×3/2×3÷6=9/8 (cm³)。
また、三角すい T-PQC の内接球の半径を r cm とすると、
V=(三角形 TPQ)×r÷3+(三角形 TPC)×r÷3+(三角形 TQC)×r÷3+(三角形 CPQ)×r÷3=(正方形 ABCD)×r÷3=r×3。
r×3=9/8 から、r=3/8。
したがって、求める球の半径は 3/8×2=3/4 (cm)。


10. 「一つ、二つ、三つ……」慎重に!(shinei さん

問題図

図のような、9 個の立方体の頂点の位置に固定されたねんど玉があります。
このうち 4 個のねんど玉を選び、ひもで結んで四角形を作る場合、

(1) 正方形は全部でいくつできますか。
(2) 何種類の長方形(正方形を除く)ができますか。
(3) 長方形(正方形を除く)は全部でいくつできますか。


〔解答・解説〕立方体の 1 辺の長さを 1 とする。

(1) 正方形は
1×1 が 43 個、√2×√2 が 12 個、2×2 が 6 個の合計 61 個。

(2)、(3) 長方形は

サイズ 1×2 1×3 1×4 1×√2 1×√5 1×√8 1×√10 1×√13
個数 38 11 4 57 51 10 15 5
サイズ 1×√17 1×√20 2×3 2×√2 2×√5 2×√10 3×√2 3×√5
個数 6 2 2 22 12 2 6 2
サイズ 4×√2 √2×√3 √2×√6 √2×√11 √2×√18 √3×√6
個数 2 34 12 3 1 3

22 種類、合計 300 個。
※ 説明の都合上、記号 √ を用いています。


11. モーターボート競走(中村 明海 さん

マサルさんとトモエさんが、川の下流 A 地点から上流 B 地点までモーターボートで何往復かする競走をしました。マサルさんが上る速さとトモエさんが下る速さが等しいので、マサルさんの楽勝かと思われましたが、2 台が同時に B 地点を折り返したある瞬間マサルさんのボートがガス欠になり、川の流れに身をまかせるはめになってしまいました。マサルさんは、その後途中でトモエさんに 5 回追い越されながらも、前半のリードがものをいいなんとか同時にゴールイン、めでたく引き分けという結果になったそうです。
さて、この競走で 2 台のボートはそれぞれ水に対してどれだけの距離を走ったのでしょうか。その距離の比を、マサルさんトモエさんの順にもっとも簡単な整数の比で答えてください。なお、川の流れの速さ、2 台のボートが走る(水に対する)速さは、それぞれ場所や時刻によらず一定とし、また、折り返しのためなどのロスタイムはないものとします。


【 表 1 】
速さ 片道の所要時間
トモエさんの上り □-2 1/(□-2)
トモエさんの下り 1/□
マサルさんの上り 1/□
マサルさんの下り □+2 1/(□+2)
マサルさんの漂流 1 1

〔解答・解説〕計算を簡単にするため、A 地点から B 地点までの距離を 1、川の流れの速さを 1 とする。マサルさんが上る速さとトモエさんが下る速さが等しいので、それを□とすると、それぞれの速さと片道の所要時間は【表 1】のようになる。


【 表 2 】
速さ 片道の所要時間
トモエさんの上り 12 1/12
トモエさんの下り 14 1/14
マサルさんの上り 14 1/14
マサルさんの下り 16 1/16
マサルさんの漂流 1 1

1) ガス欠後の様子からわかること:
途中で 5 回追い越されたということは、マサルさんが下る間に、トモエさんは 7 回下り 6 回上ったことになる。つまり、7/□+6/(□-2)=1 であるから、□は 14 と決まり、【表 1】は【表 2】のように整理される。(□の値は、□にいくつか数をあてはめてみると簡単に発見できるでしょう。)

2) 競走は何往復で行われたのか:
マサルさんはガス欠になったことによって、1-1/16=15/16 だけ余計に時間を費やしてしまった。もし、ガス欠がなければ、1 往復につき 1/12-1/16=1/48 ずつ差がつくはずのものが、引き分けになってしまったので、競走した往復回数は 15/16÷1/48=45 (回) とわかる。

【 表 3 】
速さ 片道の所要時間 走行距離
トモエさんの上り 12 1/12 13/12
トモエさんの下り 14 1/14 13/12
マサルさんの上り 14 1/14 15/12
マサルさんの下り 16 1/16 15/12
マサルさんの漂流 1 1 0

3) 水に対する走行距離(水に対する速さからのアプローチ):
【表 2】より、トモエさんの水に対する速さは 13、マサルさんは 15 であるから、【表 2】に、片道あたりの水に対する走行距離を書き加えると【表 3】のようになる。

トモエさんの総走行距離は 13/12×45+13/14×45=169×15/28
マサルさんの総走行距離は 15/14×45+15/16×44=167×15/28
したがって、2 人の総走行距離の比は (マサルさん):(トモエさん)=167:169

3)' 水に対する走行距離の別解(流された距離からのアプローチ):
(水に対する走行距離)=(地面に対する走行距離)+(もどされた距離)-(押された距離) と考えることができる。
流された距離(もど戻された距離と押された距離)を考える。

  • トモエさんの場合:
    上っていたのべ時間は (1/12)×45、もどされた距離は 45/12。
    下っていたのべ時間は (1/14)×45、押された距離は 45/14。
    よって、45/12-45/14=15/28 だけもどされたことになる。
  • マサルさんの場合:
    トモエさんが下った時間とマサルさんが上った時間は等しいので、流された距離はちょうどトモエさんの向きを逆にしたものとなる。

地面に対する総走行距離は 2 人とも 2×45=90 であるから、2 人の水に対する総走行距離の比は (マサルさん):(トモエさん)=(90-15/28):(90+15/28)=167:169


12. 階段の登り方(Shuichi さん

階段を、1 度に 1 段または 2 段または 3 段ずつ上がる場合を考えます。
このとき、階段を 10 段上がる上がり方は何通りありますか。


〔解答・解説〕1 段上る方法は 1 通り。
2 段上る方法は 2 通り。
3 段上る方法は一度に 3 段上る方法(1 通り)と、2 段目から 1 段上る方法(1 通り)と、1 段目から 2 段上る方法(2 通り)があるので、1+1+2=4 (通り)。
同様にして、
4 段上る方法は 1+2+4=7 (通り)。
5 段上る方法は 2+4+7=13 (通り)。
6 段上る方法は 4+7+13=24 (通り)。
7 段上る方法は 7+13+24=44 (通り)。
8 段上る方法は 13+24+44=81 (通り)。
9 段上る方法は 24+44+81=149 (通り)。
したがって、10 段上る方法は 44+81+149=274 (通り)。


13. 観覧車(田村 稔 さん

問題図1 問題図2

みのるさんの家から駅に向かう途中の陸橋からは、M 遊園地の観覧車がよく見えます。その観覧車にはゴンドラが ( A ) 台ついていて、一周するのに ( B ) 分かかります。(ここまで A、B も含めて実話)
ある日、さきさんがゴンドラに乗ってから、5 台後ろのゴンドラにみのるさんが乗りました(左図)。その 2 分 10 秒後、さきさんの真下にみのるさんがきました。さらに、その 2 分 30 秒後、みのるさんからさきさんを見ると 15 度上方に見えました(右図)。
さて、( A )、( B ) に当てはまる数はいくつでしょう?

注:観覧車の軌道は円で、ゴンドラは円周上の点と考えます。ゴンドラに乗り込むのは円の真下の一点とします。
ヒント:M 遊園地に電話すると答えを教えてくれます。(^_^)


解説図

〔解答・解説〕みのるさんが乗ってから、さきさんの真下に来るまでの 2 分 10 秒間を第 1 区間、次の 2 分 30 秒間を第 2 区間とする。
図のように、円の中心からそれぞれの時刻における 2 人の中心を結んだ線分 OA、OB、OC を考える。
第 2 区間において観覧車が回転した角 ∠BOC は 75° であるから、1 周するのにかかる時間 B (分) は、75:360=2.5:B を満たす。したがって、B=360×2.5÷75=12 (分)。
第 1 区間において観覧車が回転した角 ∠AOB は、
(130/60):12=∠AOB:360° を満たす。
よって、∠AOB=130/60×360°÷12=65°。
∠HOB=90°であるから、∠HOA=90°-65°=25°。
その 2 倍の 50° がゴンドラ 5 個分に相当する。
1 周 360° であるから、ゴンドラの台数 A は 50:360=5:A を満たす。
したがって、A=360×5÷50=36 (台)。


14. 集合算(中学への算数学コン さん

男子校のチャレンジ中学で全校生徒に対してつぎの 2 つのアンケートをおこないました。

  1. 君に、現在チャレンジ中学に通っている兄弟がいますか。
  2. 君に、現在チャレンジ中学に通っている兄がいますか。

集計したところ、1. については 33 人が、2. については 19 人が「いる」と答えました。
2. で「いる」と答えたひとのうちチャレンジ中学に通っている弟もいる人は何人いますか。


〔解答・解説〕弟は通っているが、通っている兄のいない人は 33-19=14 (人) であるから、通っている兄弟は 14 組である。
よって、兄は通っているが、通っている弟のいない人は、通っている兄弟の組に等しいので、14 人いる。
したがって、兄も弟も通っている人は 19-14=5 (人)。


15. うっしー問題(うっしー さん

壁を作ることになり、「うっしー」と「さいころ」はレンガ運びを手伝うことになりました。2 人のレンガ運びの様子は、次のようでありました。
はじめのうちは、「さいころ」だけが手伝い、ちょうど 30 回分運んだ時「うっしー」も運び始めた。「うっしー」が 4 回運ぶ間に、「さいころ」は 5 回運ぶが、「さいころ」の 3 回分を「うっしー」は 2 回ですます。
この時、「さいころ」と「うっしー」の運んだ個数が等しくなるのは、「うっしー」が何回運んだ時でしょう?

注:「うっしー」「さいころ」は人の名前です。(どちらとも実在していますが……。)


〔解答・解説〕「さいころ」が 1 回に運ぶ個数を 1 とすると、「うっしー」は 1 回に 3/2 個運ぶことになる。
そこで、2 人の運んだ個数が等しくなったとき、「うっしー」が □ 回運んでいたとすると、「さいころ」は (30+1×5/4×□) 個…①、「うっしー」は □×3/2 個…② 運んだことになる。
①=② より、□=120 (回)。


16. 簡単だよ!さぁさぁ!早い者勝ちだよ!(ぶぶおパパ さん

問題図

一辺 10 cm の立方体 ABCD-EFGH があり、それぞれの面の中心(対角線の交点)を P、Q、R、S、T、U とします。
この立方体の中の 6 つの四角錐、P-EFGH、Q-CDHG、R-AEHD、S-ABFE、T-BCGF、U-ADCB の共通部分(重なる部分)について、次の問いに答えなさい。

(1) 共通部分には面がいくつありますか。
(2) 共通部分の体積は何 cm³ ですか。


解説図

〔解答・解説〕
(1) この立体は、上下、左右、前後について対称であるから、立方体を 8 等分して考えてみる。
図アは 8 等分したうちの一つで、これをもとに考えると、共通部分は図イのような、立方体の 6 つの面に四角すいがくっついたもので、面の数は 4×6=24

(2) 図ウはこれを正面から見た図である。また、図エはもとの立方体を真正面から見た図で、真ん中にある八角形は図ウの輪かくである。
これらを参考にして、相似の性質を利用し、必要な長さを求める。
図ウにおいて、正方形の 1 辺の長さは 10/3 cm、点線部分の長さは 5/6 cm となるので、求める体積は
10/3×10/3×10/3+10/3×10/3×5/6÷3×6=500/9 (cm³)。


17. 箱の並び換え(tomh さん

4199 (=13×17×19) 個の箱があります。これらの箱は透明の板で作られていて、中が見えるようになっています。
さて、これらの箱の中に一箱に一枚ずつ数字の書いてあるカードを入れていきます。カードに書いてある数字は好き勝手な(正の)整数 (*) です。その後、カードが入った箱を 13×17×19 のブロックに積み上げます。ここで、便宜上、長さ 13、高さ 17の面を正面と呼びます。(もちろん、奥行きが 19 になるわけです。)この時点ではカードの並びはバラバラです。
そこで、左下正面から右上奥に向けて中にはいっているカードの数字が大きくなるようにしていこうと思います。つまり、ブロックのどの部分を見ても、左から右に向けて数字が大きくなるように、また、同じように下から上に向けて、手前から奥に向けて数字が大きくなるようにします。但し、次のような手順で箱を並べ換えるものとします:

  • 最初に正面に見えている(奥行きが 19 ある) 221 (=13×17) 列のそれぞれを数字の小さい箱が手前に来るように並べ換えます。(第 1 ステップ)
  • (上のステップで、望んでいる配置 (**) にならなかった場合は)次に横側面の 323 (=17×19) 列を左側に小さい数字が来るようにそれぞれ並べ換えます。(第 2 ステップ)
  • (更に上のステップで、望んでいる配置にならなければ、)残った上下に並んでいる 247 (=19×13) 列を下側の数字が小さくなるように並べ換えます。(第 3 ステップ)
  • 以上、3 ステップを終了した後に、箱が望んだ配置になってなければ、最初のステップに戻り、望む配置になるまで繰り返します。

さて、色々な数字の入れ方や最初の箱の並べ方によって、このような手順で最高何ステップかかることがあるでしょうか?

注 1:最高ステップ数のときの数字の入れ方や最初の箱の配置を答える必要はありません。
注 2:このような手順をいくら繰り返しても、望む配置にならないような数字の入れ方、最初の箱の配置がある場合は、答には 0 を入れて下さい。
注 3:2 回目の第 1 ステップを第 4 ステップ、2 回目の第 2 ステップを第 5 ステップと数えていきます。
注 4:数字の並べ方で、同じ数字の並びは条件を満たしています。つまり、数字は小さくはならないということです。
(*):1 以上の整数をランダムに書いていきます。もちろん、違うカードに同じ数字が書かれることもあるかも知れません。
(**):「望みの配置」とは、左下正面から右上奥に向けて数字が大きくなる箱の配置のことです。


〔解答・解説〕まず、平面の場合について、考えてみよう。
「ある学校には 300 人の生徒がいます。この 300 人を 30 人×10 列 に適当に並べます。ところが、適当に並んだために、背の高さがバラバラで、正面から見て顔の見えない生徒がいます。そこで、背の順に並べ換えるために、次のような手続きを行います。

  • まず、たての 10 列(1 列 30 人)をそれぞれ、前に背の低い人が来るように並べ換えます。(第 1 ステップ)
  • 次に、生徒たちの左側に行き、横の 30 列(1 列 30 人)をそれぞれ、(正面から見て)左側に背の低い人が来るように並べ換えます。(第 2 ステップ)

このようにして、再び正面にもどってみると……せっかく並べたたての列が乱れているかと思ったら、背の低い順にきれいに並んでいて、正面左前から生徒を見ると、見事、右奥に向かって背の低い順に並んでいることがわかります。」

これは、次のように説明できる。
第 2 ステップが終わった後、背の高い人が低い人の前にいるたての列があったと仮定する。…①
その列の中で順番が逆転している 2 人を選んで、背の低い人(つまり、後ろにいる人)を S、背の高い人(つまり、前にいる人)を T とする。
このとき、(第 2 ステップが終わった直後であるから)S の左側には S より背の低い人たち(S グループ)が並んでおり、T の右側には T より背の高い人たち(T グループ)が並んでいる。
S とその左側の人たちと、T とその右側の人たちを合わせると 11 人であるが、たての列は 10 列しかない。よって、第 1 ステップが終わった直後は、S グループの人と T グループの人がともにふくまれるたての列が少なくとも一つある。その列の S グループの人を s、T グループの人を t とする。
S グループの人たちはみな、T グループの人たちよりも背が低いので、s は t より背が低い。ところが、第 1 ステップが終わった直後、たての列は前から背の低い順に整然と並んでいるはずなので、矛盾している。これは、①と仮定したことによるものである。したがって、第 2 ステップが終わった後、生徒は正面左前から右奥に向かって背の低い順に並ぶことになる。
このことは、たてや横の列の数に関係なく、また、各人の背の高さがどのようであっても成り立つことに注意しよう。

では、立体の場合(この問題)について、考えてみよう。
第 2 ステップまでは、平面の場合と同じであるから、第 2 ステップの終了後は 17 段の各層において、左から右へ、かつ、正面から奥へ、数の小さい順に箱が並んでいる。
第 3 ステップの終了後、左右に並んでいる 323 列のうち、数の大きい箱が数の小さい箱の左にあるような列があったと仮定すると、その列をふくむ 13×17 の箱の壁に対して、先ほど平面で行った議論をすれば、矛盾が導ける。
よって、第 3 ステップの終了後は、これら 323 列それぞれにおいて、左から右へ、数の小さい順に箱が並んでいることになる。
同様の議論により、正面から奥に並んでいる 221 列それぞれにおいて、正面から奥へ、数の小さい順に箱が並んでいることになる。
したがって、"よい配置" となるためには最大で 3 ステップ必要である。
実際に、左上正面の箱を 3、右下奥の箱を 5、残りすべての箱を 6 とすれば、3 ステップかかる。


18. 未来を探して(Miki Sugimoto さん

I K I K I K I K I M I K
M I K I I K K K I K I I
I I K M I K I I I K I K
K K K I K I K M K K I I
K I I K I I I I I I K M
I M K I K K K I I K I I
K I I I M I K I K K I K
K K M K K I I K K I I K
I I K K I I K I K I M I
K I I K I M K I I I K K
K I K I K I K I M I K I
I K K I K I M I I K I K

上の I、K、M からなる表のうち、
(1) 「M」の文字はいくつありますか?
(2) 「MIKI」と一直線に読める箇所はいくつありますか?ただし、上下左右と斜めの合計 8 方向のいずれかで読むものとします。

注:(2) では 1 つの文字を複数で共有することもありえます。


〔解答・解説〕
(1) 12 (個)

(2) 各行にある "M" に注目して、そこからていねいに数えていくと早いだろう。

  • 1 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:1
  • 2 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:1
  • 3 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:2
  • 4 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:3
  • 5 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:2
  • 6 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:3
  • 7 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:2
  • 8 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:2
  • 9 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:2
  • 10 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:2
  • 11 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:3
  • 12 行目の "M" から伸びる "MIKI" の数:1

の合計 24 (個)。


19. 図形(ジン ハジメ さん

問題図

1 辺の長さが 10 cm の正方形 ABCD があります。点 M は BC を 2 等分する点です。点 N は AM を 2 等分する点です。
今、AM と EF が垂直に交わるとき、台形 AEFD の面積を求めなさい。(単位は cm²)



〔解答・解説〕AD と EF の延長上の交点を G とする。
三角形 ABM と三角形 GDF は相似で、DF:BM=GF:AM。
また、AM=EF であるから、AN:NM:EN:NF:FG=2:2:1:3:1。
よって、DF=BM×FG/AM=5×1/4=1.25 (cm)、AE=DF×EG/FG=1.25×5/1=6.25 (cm)。
したがって、台形 AEFD の面積は (1.25+6.25)×10÷2=37.5 (cm²)。


20. 無題(Nagahiro,Y. さん

以下に示す足し算を計算して下さい。

問題図

〔解答・解説〕(1) 1/10 (2) 1/330


21. 立体の体積(せなんな さん

問題図

上図は、三つの正三角形と三つの(正三角形の一辺を斜辺とする)直角二等辺三角形であり、下図は、四つの正三角形と四つの(正三角形の一辺を斜辺とする)直角二等辺三角形です。上図と下図の正三角形と直角二等辺三角形は、それぞれ合同です。
図のような折り目で、上図を組み立てたときにできる立体と下図を組み立てたときにできる立体の体積の比は、A:B となります(最も簡単な整数の比であらわしてください)。ただし、いずれもへこみのない立体を考えるものとします。


〔解答・解説〕直角二等辺三角形の等辺の長さを 1 とする。
上図の立体は、1 辺の長さが 1 の立方体の一つの頂点 A とそれに隣接する 3 つの頂点を頂点とする三角すい P と、その 3 つの頂点および、A と対角にある頂点を頂点とする正四面体 Q をくっつけたものである。
三角すい P の体積は 1×1÷2×1÷3=1/6 であり、正四面体 Q は、立方体から P をふくめて P と合同な 4 つの三角すいを切り取ったものであるから、Q の体積は 1×1×1-1/6×4=1/3 である。
よって、上図の立体の体積は 1/6+1/3=1/2。
下図の立体は、正八面体を半分に切ったものである(4 つの直角二等辺三角形は正方形 1 面となる)。
1 辺が図の正三角形の 2 倍の長さである正三角形を面とする大きい正四面体の 4 隅から、図の正三角形を面とする正四面体 Q を 4 つ切り取ると、下図の立体を 2 つくっつけた正八面体になる。
大きい正四面体の体積は正四面体 Q の体積の 8 倍であり、それから正四面体 Q を 4 つ分引いて半分にしたもの、すなわち、正四面体 Q 2 つ分の体積 1/3×2=2/3 が下図の立体の体積である。
したがって、体積比は (上図の立体):(下図の立体)=(1/2):(2/3)=3:4


22. 重いボールはどれかな?(コスモス さん

1999 個のボールの中に 1 個だけ他より重いボールが含まれています。天秤ばかりを使って最少 A 回の計量で必ず重いボールを見つけることが出来ます。また、1217 個のボールの中に 1 個だけ他より重いボールが含まれているときは最少 B 回の計量で必ず見つけることが出来ます。
それでは何個かあるボールの中で 1 個だけ他より重いボールが含まれているとき (A+B) 回の計量でこの重いボールを見つけるにはボールが最多何個のときまでですか?


〔解答・解説〕1 回の計量で見つけることができるのは、最大で 3 個。
(3 個の場合、1 個ずつのせて重い方で決まる。等しいときは、残った 1 個。)
2 回の計量で見つけることができるのは、最大で 9 個。
(9 個の場合、3 個ずつの 3 グループに分け、2 つのグループを天びんばかりにのせて、上記と同じようにして一つのグループにしぼり込む。)
以下同様にして調べる。

  • 1 回:3 個
  • 2 回:3²=9 (個)
  • 3 回:3³=27 (個)
  • ……
  • 6 回:36=729 (個)
  • 7 回:37=2187 (個)
  • ……
  • 14 回:314=4782969 (個)

よって、1999 個、1217 個いずれの場合も 7 回。すなわち、A=B=7。
したがって、A+B=14 (回) では最大で 4782969 (個)。

〔出題者のコメント〕現実問題として、こんなに沢山のボールを天びんばかりにのせるのはもちろんのこと、数えるのも手作業では困難です。短時間で個数を識別できる計測器と超特大の天びんばかりを用意しました。(えっ、誰がって? 私にはできません (^^;;


23. 算トラ川のボート屋(シイサン さん

算トラ川には橋が架かってませんが、そのかわり何軒かのボート屋があります。ただし、どの店へ行っても
「ボートは貸すだけです。元の岸に戻す必要はありませんが、お客さん自身で運転してもらいます。」
となってます。例えば、3 人乗りのボート一艘を 10 人の団体が借りた場合、はじめに 3 人で向こう岸へ渡り、1 人で元の岸に戻り、また 3 人で向こう岸へ渡り、また 1 人で元の岸に戻り……と繰り返し、4 往復半して全員渡りきることになります。この時、片道 2 分掛るボートであれば合計 18 分掛ったことになります。
ある時、A 店と B 店にそれぞれ 80 人の団体が来ました。A 店の 80人は ( イ ) 人乗りを 1 艘、B 店の 80 人は ( ロ ) 人乗りを 1 艘チャーターしました。それぞれどのくらい時間が掛るか聞いてみましたが、A・B どちらの店も
「5 人なら 7 分、25 人なら 35 分、50 人なら 77 分掛ります。」
という事しか聞けませんでした。
A 店・B 店同時に渡り始め、ともに 2 時間ほど掛りましたが、B 店の方が ( ハ ) 分 ( ニ ) 秒速く渡りきりました。5 人、25 人、50 人では A 店も B 店も時間は同じでしたが、80 人では異なったようです。
( イ )、( ロ )、( ハ )、( ニ ) に入る数字はそれぞれいくつでしょう?

注 1:ボートのスピードは、乗ってる人数に関わらず常に一定であるとします。
注 2:乗り降りに掛る時間は無視します。


〔解答・解説〕まず、「5 人なら 7 分、25 人なら 35 分、50 人なら 77 分」の条件を満たすボートは何人乗りかを調べる。
2 人乗りの場合、5 人でわたると 3 往復半であるから、片道 1 分かかることになる。このとき、25 人でわたると 23 往復半 47 分かかることになり、不適。
3 人乗りの場合、5 人でわたると 1 往復半であるから、片道 2 分 20 秒かかることになる。このとき、25 人でわたると 11 往復半 53 分 40 秒かかることになり、不適。
4 人乗りの場合、5 人でわたると 1 往復半であるから、片道 2 分 20 秒かかることになる。このとき、25 人でわたると 7 往復半 35 分かかる。また、50 人でわたると 16 往復半 77 分かかるので、条件を満たす。
同様にして、5 人以上の場合を調べていくと、10 人乗りのボートだけが条件を満たすことが分かる。

80 人がわたりきるのにかかる時間は、4 人乗りの場合、26 往復半の 123 分 40 秒。また、10 人乗りの場合、8 往復半の 119 分。
B 店の方が速かったので、A 店のボートが 4 人乗りで、B 店のボートが 10 人乗りであり、その時間差は 440 秒となる。


24. A HAPPY OLD YEAR !!(TORA さん

1 から 1999 までの数字を和が 2000 になるように 2 個ずつペアにします。このときできた 999 個のペアについて次の操作を行ないます。

  1. ぺアを構成する 2 つの数字をかける。
  2. かけてできた数字を 12 で割ったとき割り切れるものだけを残す。
  3. 残ったものについては、さらに 17 で割って割り切れるものだけを残す。

さて最後に残ったペアは何組あるでしょうか?

注:ここで割り切れるというのは、商が整数になることを指します。


〔解答・解説〕和が 2000 になるような 2 つの数を組み合わせた積は 1×1999、2×1998、3×1997、…、999×1001 の 999 通り。
積が 12 と 17 の両方で割り切れるためには、204 の倍数でなくてはならない。
ここで、A×B を (A を 204 で割ったときのあまり)×(B を 204 で割ったときのあまり) の形に書き換える。すなわち、

  • 1×1999 → (1)×(163)
  • 2×1998 → (2)×(162)
  • 3×1997 → (3)×(161)
  • ……

積が 204 で割り切れるためには、(a)×(b) が 204 の倍数でなくてはならない。
そこで、(1)×(163)、(2)×(162)、(3)×(161)、…、(164)×(0) のうち、(a)×(b) が 204 の倍数になっているものを探す。
(a)×(b) が 204 の倍数になっているのは次の通り。

  • (2)×(102 の倍数)
  • (3)×(68 の倍数)
  • (4)×(51 の倍数)
  • (6)×(34 の倍数)
  • (12)×(17の倍数)
  • (17)×(12 の倍数)
  • (34)×(6 の倍数)
  • (51)×(4 の倍数)
  • (68)×(3 の倍数)
  • (102)×(2 の倍数)
  • (164)×(0)
  • および、上記の (a) と (b) を入れかえたもの

(a) と (b) の和が 164 であることを利用する。

  • (a)=(2) のとき、(b)=(162) となるが、162 は 102 の倍数でない。
  • (a)=(3) のとき、(b)=(161) となるが、161 は 68 の倍数でない。
  • (a)=(4) のとき、(b)=(160) となるが、160 は 51 の倍数でない。
  • (a)=(6) のとき、(b)=(158) となるが、158 は 34 の倍数でない。
  • (a)=(12) のとき、(b)=(152) となるが、152 は 17 の倍数でない。
  • (a)=(17) のとき、(b)=(147) となるが、147 は 12 の倍数でない。
  • (a)=(34) のとき、(b)=(134) となるが、134 は 6 の倍数でない。
  • (a)=(51) のとき、(b)=(113) となるが、113 は 4 の倍数でない。
  • (a)=(68) のとき、(b)=(96) となり、96 は 3 の倍数。
  • (a)=(102) のとき、(b)=(62) となり、62 は 2 の倍数。
  • (a)=(164) のとき、(b)=(0) となり、(b) はあまりが 0。

よって、条件を満たすのは (68)×(96)、(102)×(62)、(164)×(0) の 3 組。
同様に、(b)=(2)、(3)、…、(102) に対して (a) を調べると、(b)=(68)、(a)=(96) と、(b)=(102)、(a)=(62) の 2 組。

次に、(164)×(0) のつづき (165)×(203)、(166)×(202)、…、(203)×(165) および (0)×(164) について、(a)×(b) が 204 の倍数であるものを探す。
少なくとも一方は 17 の倍数であることを利用するとよい。
(170)×(198)、(198)×(170) は積が 204 の倍数であるが、(181)×(187)、(187)×(181) は積が 204 の倍数でない。
よって、(0)×(164) をふくめて、新たに 3 組あることが分かる。

したがって、最初の 204 組 1×1999、2×1998、3×1997、…、204×1756 のうち、条件を満たすのは 8 組あることになる。
このあとは、再び (1)×(163) にもどるので、同じことをくり返せばよい。
999÷204=4 あまり 183 であるから、204×4=816 (組) のうち、条件を満たすのは 8×4=32 (組)。
さらに、あまりの 183 組の中にも (170)×(198) までの 6 組が条件を満たすので、合わせて 32+6=38 (組)。

〔出題者からのコメント〕
1999 年度の灘中学入試問題を改題したものです。


25. ニュートン算(YokoyaMac さん

問題図

図のような A、B、C という 3 つの穴が開いた板があります。A は底辺が a cm、高さ a cm の二等辺三角形の形をした穴、B は一辺が a cm の正方形の形をした穴、C は幅が b cm の 「エ」 の字の形をした穴で、縦、横ともに a cm で左右対称です。また、a は 50 以下の整数、b も整数です。
横山君はまず、透明で厚さのない板で、この 3 つの穴をすき間なく通り抜けられる体積最大の立体アを作りました。ただし、立体アを穴に通すときは途中で方向を変えずにまっすぐ通すものとします。次に、この立体アを、底面の角がもっとも少なくなるように地面の上に置き、一番上の面をはがして容器イを作りました。そして、上から 2 台の水道と合計 30 台のポンプを取り付けて次のような実験をしました。

実験 1:水道 1 台を使って毎分一定の量の水を入れました。満水の状態からポンプ 5 台で水をくみ出すと空になるまでに 30 分かかり、7 台でくみ出すと空になるまでに 18 分かかりました。

実験 2:水道 2 台を使って毎分一定の量を入れました。満水の状態から、ある台数のポンプを使って水をくみ出し始め、途中で何度かポンプの台数を変えながら水をくみ出すと、毎分一定の割合で水面が下がりました。

それでは問題です。
(1) 立体アには、面はいくつありますか。
(2) 立体アの体積は何 cm³ でしょうか。考えられるもののうち、体積が最大のものを答えてください。


〔解答・解説〕
(1) 立体アは左下図のように、三角柱 2 つの間に五角柱がはさまったような形をしているから、面の数は 11 である。

(2) 実験 1 により、右下図において X+Y=X+Z (=容器の容積) であるから、1 台のポンプが毎分くみ出す量を①とすると、水道から毎分出る量(白抜きの①)は 2 台のポンプが毎分くみ出す量②に等しいことがわかる。したがって、2 台の水道はポンプ 4 台分に相当する。

解説図1 解説図2

実験 2 から、三角柱の底面積 a×a÷2 cm² と五角柱の底面積 (a×b-b×b÷2) cm² の比が 30-4=26 以下の整数で表せればよい。a は 50 以下の整数、b は a÷2 未満の整数であるから、a、b の組合せは次の通り。

a 3 4 5 5 6 8 9 10 10 12 12 15 15 15 16 18
b 1 1 1 2 2 2 3 2 4 3 4 3 5 6 4 6
a 20 20 20 21 24 24 25 25 27 28 30 30 30 32 33 35
b 4 5 8 7 6 8 5 10 9 7 6 10 12 8 11 7
a 35 36 36 39 40 40 40 42 44 45 45 45 48 48 50 50
b 14 9 12 13 8 10 16 14 11 9 15 18 12 16 10 20

よって、立体アの体積が最大になるのは a=50、b=20 のときで、(50×50÷2)×20×2+(50×20-20×20÷2)×(50-20×2)=58000 (cm³)。
ちなみに、このとき、ポンプは 29 台からスタートして、途中で「29 → 20 → 29」と変えれば、一定の割合で水面が下がる。


26. かすみさんの正四面体(算数仙人 さん

かすみさんは正四面体を作ろうと思って紙を用意しました。そこで、できるだけ大きな同じ半径の円を重ならないようにいくつか書きました。1 つの円の中には一辺の長さが半径と同じ正三角形を 6 個作りました。できた正三角形をすべて使って正四面体は 3 個作ることができました。
ここで問題です。書いた円の面積の合計が 615.44 cm² である時、できた正四面体の体積の合計は何 cm³ ですか。


〔解答・解説〕正三角形の個数は 4×3=12 (個) であるから、円の個数は 12÷6=2 (個) となり、円 1 個の面積は 615.44÷2=307.72 (cm²)。したがって、(半径)×(半径)=307.72÷3.14=98。
さて、正四面体について考えてみる。立方体 ABCD-EFGH において、1 つの面の対角線を 1 辺とする正四面体 A-CFH を考える。これは立方体から 4 つの小三角錐 B-ACF、D-ACH、E-AFH、G-CFH を取り除いたものである。
1 つの小三角錐の体積は立方体の 1/2×1/3=1/6 (倍) であるから、正四面体 A-CFH の体積は立方体の 1-1/6×4=1/3 (倍)。したがって、正四面体 3 個分の体積は立方体の 1/3×3=1 (倍)。すなわち、立方体の体積と等しい。
この立方体の 1 つの面(正方形)の対角線は半径に等しいから、その面積は (半径)×(半径)÷2=98÷2=49 (cm²)。したがって、1 辺の長さは 7 cm。よって、正四面体の体積の合計は 7×7×7=343 (cm³)。


27. わかさひ君初出願特許のネタ元(謎)(わかさひ君 さん

+、-、×、÷、および 0 以上の数の書かれたカードがたくさんある。そこから何枚か束にして手元 (A) に置く。また、これらのカードを積み重ねることができる場所 (B) がある。最初は (B) にはカードは 1 枚も積まれていない。
ここで、次々とカードを手元 (A) の束から引き、次のルールにしたがって操作する。

  1. 数の書かれたカードを引いた時は、カードを (B) に積む。
  2. +の書かれたカードを引いた時は、(B) に積まれているカードを上から 2 枚取り出して、それを合計した数の書かれたカードを (B) に積む。
  3. -の書かれたカードを引いた時は、(B) に積まれているカードを上から 2 枚取り出して、一番上にあったカードの数を 2 番目にあったカードの数から引き算して得られる結果の数の書かれたカードを (B) に積む。
  4. ×の書かれたカードを引いた時は、(B) に積まれているカードを上から 2 枚取り出して、両者を掛算した結果の数の書かれたカードを (B) に積む。
  5. ÷の書かれたカードを引いた時は、(B) に積まれているカードを上から 2 枚取り出して、一番上にあったカードの数で 2 番目にあったカードの数を割って得られる結果の数の書かれたカードを (B) に積む。
  6. 以上の操作 (1.~5.) が不可能である時、すなわち
    • 小さい数から大きい数を引き算しようとしたとき
    • 0 で割り算しようとした時
    • 取り出す必要のある枚数のカードが積まれていなかった(不足した)時
    のいずれかの場合には、(B) からすべてのカードを取りだし、その取り出したカード全部の合計の数の書かれたカードを 1 枚だけ (B) に積む。
    ((B) に 1 枚もなかった場合には「0」の書かれたカードを積む)

ここで、手元 (A) のカードを順々に引いて上記操作を行った。引いたカードは順に

11、12、÷、17、2、189、116、3、+、-、×、12 、-、×、4、-、×、-、8、+、2660、2、30、12、25、×、+、×、-、÷、1999

であった。
この結果、(B) に積まれているカードの上から 2 番目の数は一体なんでしょうか。ただし、(B) に積まれているカードが 1 枚である場合には A と、また積まれているカードがない場合には B と答えなさい。


〔解答・解説〕

引いた
カード
(B) の上から積まれているカード
1 枚目 2 枚目 3 枚目 4 枚目 5 枚目 6 枚目
11 11
12 12 11
÷ 11/12
17 17 11/12
2 2 17 11/12
189 189 2 17 11/12
116 116 189 2 17 11/12
3 3 116 189 2 17 11/12
119 189 2 17 11/12
70 2 17 11/12
× 140 17 11/12
12 12 140 17 11/12
128 17 11/12
× 2176 11/12
4 4 2176 11/12
2172 11/12
× 1991
1991 ※ 操作 6 が適用される
8 8 1991
1999
2660 2660 1999
2 2 2660 1999
30 30 2 2660 1999
12 12 30 2 2660 1999
25 25 12 30 2 2660 1999
× 300 30 2 2660 1999
330 2 2660 1999
× 660 2660 1999
2000 1999
÷ 1999/2000
1999 1999 1999/2000

よって、求める答えは 1999/2000


28. 当選確実の問題(ヒデー王子 さん

ある島は 1607 人の島民から成り立っており、このたび島の代表者を選ぶことになった。X、Y の 2 名が立候補したが、本人も含めて島民は全員 1 票ずつ投票する権利がある。過半数を確保した者が当選することは普通の選挙と同じだが、この島は地域によって結束が堅いため次のような方法で当選が決まる事になっている。
投票結果は各地域毎に集計され、それぞれの過半数を占めた候補者は、その地域の総意として地域の全票数を一括して自分の票数とする。そして、それらの票数の合計が全島民の過半数を占めると当選する、というものである。(アメリカの大統領選に近いといえる?)
グループは A:59 人、B:101 人、C:205 人、D:215 人、E:237 人、F:291 人、G:499 人の 7 グループある。例えば A で 30 票、B で 70 票、C で 100 票、D で 120 票、E で 120 票、F で 150 票、G で 240 票取った場合、実際の総得票数は 830 票だが、この島の方式では A、B、D、E、F の総数の和である 903 票を獲得することになるのである。
さて、X 氏は確実に当選するためには最低何票獲得する必要があるか。ただし、棄権票も無効票もないものとする。


〔解答・解説〕1607 の過半数である 804 を最も効率よく越えるには、B、C、G をおさえて 805 となるときである。
よって、当選するための最低得票数は、これらの過半数である 51、103、250 の和の 404 票。
これを相手に取らさなければ確実に当選できるから、1607-404+1=1204 (票) 取れば当選確実といえる。


29. マスかき算(fumio さん

問題図

白い立方体と青い立方体を図のように組み立てて、大きな立方体を作りました。この大きな立方体を 4 つの平面で切り取って AB を一辺とする正四面体を作ります。
このとき、(平面で切り取られた青い立方体):(平面で切り取られた白い立方体):(正四面体の中にある完全な青い立方体) の個数の比を求めなさい。ただし、外側から見える青い立方体の位置は向こうの面まで全部青い立方体です。


〔解答・解説〕11 段のマスをかいてそれぞれの個数を数える。

上からの段数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 合計
青色 5 14 10 24 10 14 10 24 10 14 5 140
白色 26 26 30 16 30 26 30 16 30 26 26 282
完全 0 5 3 19 7 17 7 19 3 5 0 85

よって、求める答えは 140:285:85


30. 直角二等辺三角形の兄弟(2人の子供をオンブズマン さん

問題図

直角二等辺三角形 ABC と直角二等辺三角形 BDE とが、図のように重なっています。辺 AC と辺 BE、辺 DE との交点を、それぞれ点 F、点 G とします。

(1) AB=30 cm、DE=20 cm のとき、(四角形 FBDG の面積):(四角形 ABCE の面積) を最も簡単な整数の比で表すと、( ア ):( イ ) となります。

(2) (三角形 AFE の面積):(三角形 EGC の面積) を、最も簡単な整数の比で表すと、( ウ ):( エ ) となります。

( ア )、( イ )、( ウ )、( エ ) に入る数は何でしょうか。


〔解答・解説〕
(1) (三角形 FBC)=(三角形 ABC)÷2=30×30÷2÷2=225 (cm²)。
また、DC=BC-BD=30-20=10 (cm) より、(三角形 GDC)=10×10÷2=50 (cm²)。
したがって、(四角形 FBDG)=225-50=175 (cm²)。
(台形 ABDE)=(20+30)×20÷2=500 (cm²)、(三角形 EBD)=20×20÷2=200 (cm²) であるから、(三角形 ABE)=500-200=300 (cm²)。
したがって、(四角形 ABCE)=300×2=600 (cm²)
よって、(四角形 FBDG の面積):(四角形 ABCE の面積)=175:600=7:24

(2) (三角形 AFE)=(三角形 EFC)={(四角形 ABCE)-(三角形 ABC)}÷2=(600-450)÷2=75 (cm²) であるから、(三角形 EFG)=(三角形 EBD)-(四角形 FBDG)=200-175=25 (cm²)。
したがって、(三角形 EGC)=(三角形 EFC)-(三角形 EFG)=75-25=50 (cm²)。
よって、(三角形 AFE の面積):(三角形 EGC の面積)=75:50=3:2


31. 並べ替え(KIN さん

1~100 までの数を右から小さい順に並べました。次の操作をほどこします。

  • 並べた列の中から 2 の倍数を取り出し、右から小さい順に並べかえて、もとの列の右端につなぐ。
  • 並べかえた列の中の 3 の倍数を取り出し、左から小さい順に並べかえて、もとの列の左端につなぐ。
  • 並べかえた列の中の 4 の倍数を取り出し、右から小さい順に並べかえて、もとの列の右端につなぐ。
  • 並べかえた列の中の 5 の倍数を取り出し、左から小さい順に並べかえて、もとの列の左端につなぐ。
  • ……
  • 並べかえた列の中の 10 の倍数を取り出し、右から小さい順に並べかえて、もとの列の右端につなぐ。

(1) この操作をすべて終わったとき、一度も取り出されなかった数字はいくつあるか?
(2) この操作をすべて終わったとき、左から数えて 31 番目にある数字はなにか?
(3) この操作をすべて終わったとき、ついかして並べかえた列の中の 11 の倍数を取り出し、左から小さい順に並べかえて、もとの列の左端につなぐ。という操作をやったとき「89」は左から数えて、何番目か?


〔解答・解説〕このすべての操作が終わった時点での列は

  1. 10 の倍数を抜いた 9 の倍数を左から小さい順
  2. 10~8 の倍数を抜いた 7 の倍数を左から小さい順
  3. 10~6 の倍数を抜いた 5 の倍数を左から小さい順
  4. 10~4 の倍数を抜いた 3 の倍数を左から小さい順
  5. 2~10 で割り切れない数を右から小さい順
  6. 10~3 の倍数を抜いた 2 の倍数を右から小さい順
  7. 10~5 の倍数を抜いた 4 の倍数を右から小さい順
  8. 10~7 の倍数を抜いた 6 の倍数を右から小さい順
  9. 10 と 9 の倍数を抜いた 8 の倍数を右から小さい順
  10. 10 の倍数を右から小さい順

となる。すなわち、具体的に並べかえた列は
 09 18 27 36 45 54 63 72 81 99 07 14 21 28 35 42 49 77 84 91 98 05 15 25 55
 65 75 85 95 03 33 39 51 57 69 87 93 97 89 83 79 73 71 67 61 59 53 47 43 41
 37 31 29 23 19 17 13 11 01 94 86 82 74 62 58 46 38 34 26 22 02 92 76 68 52
 44 04 78 66 12 06 96 88 64 56 48 32 24 16 08 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
となる。

(1) 1~100 のうち、2~10 の倍数以外の数は 22 個。(1 と、2、3、5、7 以外の素数)

(2) 上の列において、左から 31 番目の数は 33

(3) 上の列において、89 より右にある 11 の倍数は 11、22、44、66、88 の 5 個あり、これらが 89 より左に移動することになる。上の列で 89 は 39 番目であるから、答えは 39+5=44 (番目)。

〔出題者からのコメント〕
一応オリジナルで作った問題です。(もしかしたら似た問題がどこかにあるかも?)
あまりうまい解答法がないのが問題だと思いますが、表さえ作れば簡単だと思います。
時間がかかるので入試とかには不向きでしょうね。 (^^;


32. うわぁっ、グラスが穴だらけ !!(ありさのお父さん さん

マサル王国には代々伝わる秘宝があります。何でも切れる斬鉄剣(第 90 回) や、わずか数個のおもりで 1 g から 40 g まで量れる魔法の天秤(第 71 回) が有名ですが、傾けて使う正六角柱グラス(第 123 回) もその一つです。ところが、トラ帝国が攻めてきて、宝物庫にミサイルが命中してしまいました。
アキ大臣 「王様、大変です。秘宝の六角柱グラスが穴だらけです。」
マサル王 「それは困った、春のお水取りの儀式ができないではないか。」
ユー姫 「大丈夫です、王様。ほら、穴をふさぐパッチが見つかりました。」
アキ大臣 「でかした。でもたった 1 個では……。どの穴をふさいだらよいものか……。」
(背景はこの程度にしておいて、ここからが問題です。)

問題図

ふたの無い正六角柱型の容器が 2 つあります。2 つの容器は形も大きさも同じで、底辺の正六角形の各辺の長さが 3 cm、容器の高さが 7 cm です。ただし A の容器には、図に示す様に 7 個の小さな穴が空いています(※1)。
この穴を 1 つだけふさぎ、どこからも水が漏れないように注意して(※2)、できるだけ多くの水を入れました。この時、容器を傾けても構いません。入れた水を、穴の空いていない B の容器に移し替え、B の容器の底が水平になるように置きました。
最も深い場合、水の深さは何 cm になるでしょうか。

※1:穴の位置が見やすい様に展開図にしました。正六角柱容器はこれを組み立てた形です。もちろん 「辺」 の接着部で水が漏れるようなことはありません。穴を赤丸で表しています。破線は穴の位置を示すためのものです。穴の大きさや、容器の厚みは無視して下さい。
※2:大きさが無視できるほど小さいとは言え、穴が水面下にあると水が漏れてしまいます。


〔出題者からのコメント〕
前回(算トラ 2)の分数の角度の問題(フランクリンの凧)が、「難しすぎた」あるいは「自分勝手すぎた」との反省にたって、今回は易しくしようと思いました。
しかし、はじめは穴が 1 つの比較的簡単な問題だったのですが、締切まで時間があったので色々といじっているうちに、またまたややこしい問題になってしまいました。
この問題には、3 つの罠があります。それは、

  1. 底の中央の穴をふさぐ場合の 4/3 (=1.33…) cm では最も深くならない。
  2. 3 cm、4 cm、底の中央の3つの穴で水面をつくると、グラスの口(上端)から水がこぼれる。
  3. 4 cm の穴を通る水面の最深値は 92/63 (=1.46…) cm だが、これよりも 3 cm の穴を通る水面の最深値 379/252 (=1.50…) cm の方が深い。

作者としては 3. の罠がとても気に入っています。
では、解説に入りますが、その前にもう一言。
底面の大きさ(正六角形の一辺の長さ=3 cm)には関係なく答えが求まります。
正直に 3 cm を入れて計算した人はいないと思いますが、もしいらしたらごめんなさい。

図1

〔解答・解説〕1) 底をふさぐと深さは 4/3 cm:
さて、一見すると底の中央の穴をふさげばいいように見える。その時の最深の水の深さは、4/3 cm になる。これは、1 cm、1 cm、2 cm の穴が水面を作る場合で、中央の深さが3点の平均の 4/3 cm とすぐ分かる。図 1 の様に、2 cm の穴と正六角柱の軸を含む面で切断すると、もっと分かりやすいであろう。一番浅い所でも 2/3 cm の深さで、底面のどこも水から顔を出していない。底の一部が水面の上に出たり、水が容器の口からこぼれない限り、グラスを傾けても中央での水の深さは変わらないことは、対称性から明らかである。

2) 底をふさがない場合は、2 cm の穴をふさぐと良い:
次に底の穴をふさがない場合を考えよう。
底の穴があいたままであるから、当然グラスを傾けないと沢山の水は入らない。すると側面にあいた 6 つの穴のうち、3 つは水面上に出るので、ふさぐ必要はない。残りの 3 つの穴ができる限り上にある方が沢山の水が入ることから、3 cm と 4 cm の穴の間の 2 cm の穴をふさぐと良いことが分かる。

3) 水深を求める 3 つのステップ:
ここからは、水の深さは 3 つのステップで計算する。

  1. 水面が通る 3 点を決める。
  2. 正六角柱の各辺(上から見ると正六角形の各頂点)で正六角柱の軸に平行な方向に測った水の深さ(言い換えると、水面が正六角柱の各辺を切断する高さ)を求める。
  3. 2. の各辺の水の深さから、平均の水の深さを求める。

4) 各辺での水深を求める方法:
3) 1. の 3 点を決めたあと、2. の各辺の水深(各辺が水面に切断される高さ)を求めるには、次の法則を使った。
「水面上に一直線に A、B、C の順に並んだ 3 点があり、AB=BC で、A の水深が a、B の水深が a+h なら、C の水深は a+2×h になる。」
これは、A を通る底に平行な面に B、C から垂線を下ろしその足を B'、C' とすると、三角形 ABB' と三角形 ACC' が相似比 1:2 で相似になり、CC'=2×BB'=2×h から説明できる。水面上の各点に水深という数を与える点がちょっと特殊かも知れないが、小学生にも明らかだと思われる。
では、実例で考えてみよう。

図2

5) 底、3 cm、4 cm の穴で水面を作ると容器の口から水がこぼれる:
先ず、単純に最も深くなると考えられる、3 cm と 4 cm の穴と底の中央の穴の 3 点を結ぶ平面で水面をつくってみる。すると図 2 のように、

  1. 底の中央の穴から 3 cm の穴まで直線を結び、2 倍に伸ばした点の深さは 6 cm になる。
  2. 同様に底中央の穴と 4 cm の穴を結んで 2 倍に伸ばした点の水深は 8 cm。
  3. このふたつから B での水面の高さが 22/3 cm になり、容器の高さの 7 cm より深くなる。
図3

すなわち、容器の口から水がこぼれてしまうので、この 3 点の選び方は不適当である。
水をこぼさず、かつなるべく沢山の水を入れるには、水面がグラスの口ぎりぎりになるよう、言い換えると辺(上から見ると正六角形の各頂点)の水深が 7 cm になるように水面を選べば良い。したがって、辺のどれかを 7 cm にし、底中央、3 cm、4 cm の 3 点から 2 点を選んで、水面を作ることにする。

6) 底の穴と 3 cm の穴が作る水面(379/252 cm で最深):
いろいろやってみると、図 3 の様に、B 点(深さ 7 cm)と、底中央の穴、3 cm の穴の 3 点を結ぶ平面が水面になる場合が、一番沢山水が入る。
先ず、実際に各辺での水深を求めてみよう。
図4 図 4 はグラスの上方から見たものである。最初に赤字で書いた底中央の穴 (0 cm)、3 cm の穴、B 点 (7 cm) の 3 点の深さが与えられている。

  1. 底中央の穴から 3 cm の穴を結び、2 倍に伸ばした点の深さは 6 cm。
  2. 1. と B 点の深さが 7 cm から、C 点の深さは 13/2 cm。
  3. C 点 (13/2 cm) と 3 cm の穴から、D 点の深さは -1/2 cm。
  4. D 点 (-1/2 cm) と底中央の穴 (0 cm) から、A 点は 1/2 cm。
  5. C 点 (13/2 cm) と底中央の穴 (0 cm) から、F 点は -13/2 cm。
  6. なお、A 点と B 点の間の 4 cm の穴の場所の水深は、 A 点 (1/2 cm) と B 点 (7 cm) から 15/4 cm で、4 cm の穴は水面上にあり、水は漏れない。

次に、グラスの上方からみて三角形になる部分ごとに縦に分割すると、水が作る立体は、斜めに切った三角柱か三角錐になる。中央の点を O、水面と AF、CD が作る点を G、H とすると、それぞれの立体の底辺となる三角形の頂点の水深は、

  1. 三角形 OCH は、0、13/2、0
  2. 三角形 OBC は、0、7、13/2
  3. 三角形 OAB は、0、1/2、7
  4. 三角形 OGA は、0、0、1/2

となる。それぞれを別々に穴の無い容器に移すと考えると、深さは、(3 点の平均で 1/3)×(底面積)×(3 点の高さの合計) となり、

  1. 1/3×1/6×13/14×13/2
  2. 1/3×1/6×27/2
  3. 1/3×1/6×15/2
  4. 1/3×1/6×1/14×1/2

で合計すると、求める答えは 1/3×1/6×1/2×(169/14+27+15+1/14)=1/36×(170+42×14)/14=379/252 (cm) (=1.50…)。

図5

7) 底の穴と 4 cm の穴が作る水面(92/63 cm で 2 番目に深い):
それ以外の水面の選び方も検討しておく。
水が漏れないものとして、最初に述べた 4 cm の穴を通るものを図 5 に示す。各辺での水深は、

  1. 底中央の穴から 4 cm の穴を結び、2 倍に伸ばした点の深さは 8 cm。
  2. 1. と B の深さが 7 cm から、C 点の深さは 6 cm。
  3. 4 cm の穴と B (7 cm) から A 点の深さは 1 cm。
  4. A 点 (1 cm) と底中央 (0 cm) から、D 点の深さは -1 cm。
  5. C 点と D 点の間の 3 cm の穴の場所の水深は、 D 点 (-1 cm) と C 点 (6 cm) から 5/2 cm で、3 cm の穴は水面上にあり、水は漏れない。

これらから、三角形の頂点の水深は、

  1. 三角形 OCH' は、0、6、0
  2. 三角形 OBC は、0、7、6
  3. 三角形 OAB は、0、1、7
  4. 三角形 OG'A は、0、0、1

で、穴の無い容器に移したときの深さは、

  1. 1/3×1/6×6/7×6
  2. 1/3×1/6×13
  3. 1/3×1/6×8
  4. 1/3×1/6×1/7×1

で合計すると、1/3×1/6×1/7×(36+91+56+1)=92/63 (cm) (=1.46…) で、先ほどの答えよりは浅くなる。

8) その他の場合(水が漏れる場合):
その他の、グラスの上端(口)や穴から水が漏れてしまう水面の選び方を、図 6-1 から図 6-3 に示す(説明は省略)。各図で、赤字で深さを書いた 3 点から水面を作ると、×をつけたところから水が漏れてしまう。

図6-1 図6-2 図6-3

33. 賛虎神社の初詣(溝部 光洋 さん

1999 年も、あと少しで終わろうとしている、12 月 31 日深夜に、A さん、T さん、M さんの 3 人が、賛虎神社の石段下へとやってきました。賛虎神社の拝殿へと続く石段は、長大なことで有名で、昇りきれない人が続出したため、石段と並んで、何処からでも乗り降り自由なエスカレータが設置されています。石段と、エスカレータの下から上までの段数は、全く同じです。3 人共、歩いて昇る速さは同じで一定です。3 人の歩いて昇る速さと、エスカレータとの速度の比は、12:17 です。
さて、3 人は、石段を昇り始めようとしましたが、ここで、お金を持っていないことに気づいたAさんは、近くにある 24 時間営業の ATM でお金をおろして、後から追いかけることになりました。T さんはエスカレータに乗って歩かず、M さんは石段を歩いて昇り始めました。1 分 08 秒遅れて、A さんは、エスカレータを歩いて昇り始めました。A さんが昇り始めて 48 秒たった時、M さんに追いつきましたが、その時 T さんは、2 人より 290 段、上にいました。その時点から、A さんと M さんは、エスカレータに乗って歩かず、T さんは、石段を歩いて昇るというように、昇り方を変えました。やがて、A さんと M さんは、T さんに追いつきました。T さんと M さんが昇り始めてから、A さんが M さんに追いつくまでの時間と、A さんが M さんに追いついてから、A さんと M さんが T さんに追いつくまでの時間は、全く同じでした。3 人は、ここから一緒にエスカレータを歩いて昇り始めました。3 人一緒に昇り始めて、12 分 24 秒たったとき、人が多くなって、エスカレータが渋滞し歩けなくなったので、3 人は歩かずにエスカレータに乗っていることにしました。3 人が歩かなくなってから、エスカレータが 2312 段分上昇したところで、2000 年 1 月 1 日 0:00 の時報が鳴り響くと同時に、2000 年問題の影響か、エスカレータが突然動かなくなってしまいました。3 人は、しかたなく、そこからは歩いて昇り、1 日 0 時 12 分 31 秒に、石段の上へと、着きました。
さて、それでは、次の設問にお答え下さい。

(1) T さんと M さんが昇り始めてから、石段の上に着くまで、何秒掛かったでしょう?
(2) 賛虎神社の、石段の段数は、何段でしょう?

注:この問題は、あくまでもフィクションですので、設定等に現実離れしているところがありますが、ご容赦下さい。


〔解答・解説〕A さんが昇り始めて 48 秒たったとき M さんに追いつき、そのとき T さんは 2 人より 290 段上にいたので、それぞれの速さは次のようになる。

  • 石段を歩いて昇る速さ:(290×12/5)÷(68+46)=6 (段/秒)
  • エスカレータの速さ:(290×17/5)÷(68+46)=8.5 (段/秒)
  • エスカレータを歩いて昇る速さ:6+8.5=14.5 (段/秒)

(1) (68+48)×2+(12×60+24)+2312÷8.5+(12×60+31)=1999 (秒)。
(2) 290×(17/5)+(68+48)×6+(12×60+24)×14.5+2312+(12×60+31)×6=19288 (段)。


34. 連続する整数の和に変えて!(T.Endo さん

630 を 1 個以上の連続する 0 以上の整数の和で表すとき、何通りの表し方がありますか。例えば、30 を表すと 4+5+6+7+8、6+7+8+9、9+10+11、30 の 4 通りあることになります。


〔解答・解説〕連続する整数の和になるというのは、その個数が偶数のときと奇数のとき との 2 つに分けて考えられる。

  1. 奇数個の場合、真ん中の数がすべての平均となるので、整数(平均)×奇数(個数)と表すことができる。
  2. 偶数個の場合、真ん中の2数の平均(小数)がすべての平均となるので、整数.5(平均)×偶数(個数)と表すことができる。

そこで、630 を異なる 2 整数の積で表すと 12 通りが考えられる。
さらに、その中の奇数の持つ意味について吟味すると、次の 2 つに分けることができる。

  1. 奇数が 1. の個数にあたる場合
  2. 奇数が 2. の平均の2倍にあたる場合

この 24 個の数のそれぞれについて、奇数の持つ意味として適切なものを考えていくと、以下のように分類できる。(分かりやすくするため、カッコ内に何から何までの和かを書いておく。)

  • 1×630 → A (630)
  • 2×315 → B (156~159)
  • 3×210 → A (209~211)
  • 5×126 → A (124~128)
  • 6×105 → B (47~58)
  • 7×90 → A (87~93)
  • 9×70 → A (66~74)
  • 10×63 → B (22~41)
  • 14×45 → B (9~36)
  • 15×42 → A (35~49)
  • 18×35 → A (1~35)
  • 21×30 → A (20~40)

このように考えていくと、奇約数の個数 12 個が答えのように思われるが、実は、問題文では「0 以上の」と与えてあり、この問題では 1~35 の和が考えられるので、0 を付け加えた 0~35 の和も同じく 630 になる。したがって、答えは 12+1=13 (通り) となる。


35. カード残しの問題(サトラ さん

次の文で、X に当てはまる数を答えてください。
1 番から N 番まで、それぞれ異なる整数の番号が書かれたカードが、全部で N 枚あるとき、1 枚ずつ取り除いていく手順を次のように決めました。

  1. まず、全部のカードを、1 つの円周上に、右回りにだんだん番号が大きくなるように並べます。
  2. 次に、1 番のカードから、右回りに 1 枚ずつ、続けて 6 枚取り除きます。
  3. 今取り除いた 6 枚の、次の 1 枚を残して、その次のカードから、1 枚ずつ、続けて 6 枚取り除きます。
  4. 以下、カードが無くなるまで 3. を繰り返して、次々に 1 枚ずつ取り除いていきます。

例えば、N=53 のとき、取り除かれるカードの番号の順序は、

1、2、3、4、5、6、8、9、10、11、12、13、15、16、…、47、48、50、51、52、53、7、14、28、35、42、49、21

となり、最後に取り除かれるのは 21 番のカードになります。
N=5764800 のとき、上記の手順で最後に取り除かれるカードは X 番のカードです。

ヒント:7×7×7×7×7×7×7×7=5764801 です。


〔解答・解説〕N が 7 で割り切れる場合、1~7 番のカードを第 1 組、8~14 番のカードを第 2 組、というように 7 枚ずつ N÷7 組に分けて考えると、1 周目では、各組の中で最も番号の大きいカードが残る。
さらに、N÷7 が 7 で割り切れる場合、1 周目で残ったカードを再び 7 枚ずつの組に分けて考えると、2 周目でも、各組の中で最も番号の大きいカードが残る。ここで残ったカードは、最初の N 枚を 7×7 枚ずつの組に分けて考えたときの、各組で最も番号の大きいカードである。
同様にして、N が 7 の累乗ならば、1 周するたびに 7 枚ずつの組の中の最も番号の大きいカードが残っていき、最後に残るのは最も番号が大きい N 番のカードとなる。

このことを、逆に大きいかたまりから考えると、N が 7 の累乗ならば、最後に残る 1 枚は、N/7 枚ずつの 7 組に分けて考えると、もっとも番号が大きいカードの組 (6×N/7+1~N) の中にある。
さらにその組を N/(7×7) 枚ずつの 7 組に分けて考えると、最も番号が大きい組 (6×N/7+6×N/49+1~6×N/7+7×N/49) の中にある。……というように考えることができる。
以上は、7 枚 1 組に対して「6 枚取り除いて最後の 1 枚を残す」という操作をするときの説明であるが、「7 枚 1 組に対して k 番目の 1 枚を残す。(まず小さい方から (k-1) 枚取り除き、1 枚残して、あと (7-k) 枚取り除く)」という操作をするときも、同様の考え方ができる。
N が 7 の累乗ならば、最後に残る 1 枚は、N/7 枚ずつの 7 組に分けて考えると、番号が小さい方から k 番目の組 ((k-1)×N/7+1~k×N/7) の中にあり、さらにその組を N/(7×7) 枚ずつの 7 組に分けて考えると、番号が小さい方から k 番目の組 ((k-1)×N/7+(k-1)×N/49+1~k×N/7+k×N/49) の中にあり、……というように考えることができる。
結局、最後の 1 枚(これを Y 番のカードと呼ぶと)になるまでに取り除かれるのは、Y 番より番号が小さいカードは、N/7 枚の組 (k-1) 組分+N/(7×7) 枚の組 (k-1) 組分+…+(k-1) (枚)。
Y 番より番号が大きいカードは、N/7 枚の組 (7-k) 組分+N/(7×7) 枚の組 (7-k) 組分+…+(7-k) (枚) となる。
したがって、N 枚中、Y 番よりも番号が小さいカードと Y 番よりも番号が大きいカードの枚数の比は (k-1):(7-k) となる。このことから、Y=(N-1)×(k-1)/6+1 となる。

今回の問題より 1 枚多い場合、つまり、5764801 枚のカードに、A(1) 番、A(2) 番、…、A(5764801) 番という番号をつけ、A(1) 番からスタートし、上記の k=2 の場合(1 枚取り除いて、1 枚残し、5 枚取り除く)という操作をした場合を考えてみる。すると、上記の式により Y=5764800/6+1=960801 となり、A(960801) のカードが残ることがわかる。
この場合の、A(1) 番を取り除いて、A(2) 番を残した状態を考えると、その後、A(3)~A(7) を取り除き、次に A(8) を取り除き、次に A(9) を残して、A(10)~A(14) を取り除き、A(15) を取り除き、A(16) を残して、A(17)~A(21) を取り除き、……となる。
そこで、A(3) → 1 番、A(4) → 2 番、…、A(9) → 7 番、…、A(16) → 14 番、…、A(5764799) → 5764797 番、A(5764800) → 5764798 番、A(5764801) → 5764799番、A(1) → 無し、A(2) → 5764800 番、と番号を付け直すと、今回の問題と同じ状態になる。つまり A(960801) → 960799 番なので、960799 番のカードが最後に取り除かれることになる。


36. 2 本のジュース(マツダ さん

マツダ君の店では、ある日ジュースを仕入れるとき、オレンジとアップルとピーチを同じ数ずつ仕入れました。一本の仕入れ値は、オレンジが 100 円、アップルが 105 円、ピーチが 110 円です。
だが、翌日お客がなかなかこないのでマツダ君は次のような計算をしました。
「もし昨日仕入れに使った金額を 3 等分して、3 種類のジュースそれぞれに同額のお金をかけていたら、2 本よけいに仕入れることができたのに……」
では、前日にマツダ君が仕入れたジュースは、全部で何本だったのか。


〔解答・解説〕3 種類のジュースそれぞれに同額のお金をかけたとすると、オレンジ、アップル、ピーチの本数の比は (1/100):(1/105):(1/110)=231:220:210 となる。
仮に、これをそのまま本数とすると、仕入れ総額は 231×100×3=69300 (円) となり、前日に仕入れたジュースは 69300÷(100+105+110)=220 (本) ずつとなる。
このとき、231+220+210-220×3=1 (本) しかよけいに仕入れられていないことになるので、前日に仕入れたジュースはその 2 倍、すなわち 220×2×3=1320 (本)。